お役立ちコンテンツ

  • 火災

コラムタイトル

巨大地震に備えて!火災保険で地震による損害は補償される?

リード

日本は、世界でも有数の地震大国です。今後も、大規模な地震の発生が予測されているため、住まいを守る地震保険の需要はますます高まっていくことでしょう。しかし、そんな地震大国に住んでいるあなたは地震保険にはいっていますか?また、地震保険と火災保険の違いを説明できますか?今回は、地震保険の補償内容や保険金額の上限、割引制度など、地震保険の基礎知識をお伝えいたします。

    • 火災
コラムサマリ

この記事は約5分で読めます。

  • 2018年度の地震保険の加入率は32.2%
  • 地震保険は単独では加入できず、火災保険とのセットで加入することができる
  • 「地震保険料控除」で所得税や住民税が安くなる。

※ご契約にあたっては、必ず「重要事項説明書」をよくお読みください。ご不明な点等がある場合には、お問い合せください。
※取り扱い保険会社及び保険商品について、ご不明な点等がある場合には、お問い合せください。
※文中に記載の保険商品、サービスの名称及び内容は保険会社によって異なる場合がございます。

本文

地震保険に入るべき?地震の発生率や加入率は?

内閣府の発表によると、今後、発生の可能性が高いといわれている地震には、関東から九州の広い範囲で発生するとされる南海トラフ地震と、南関東地域の首都直下地震の2つがあります。どちらも、30年以内に70%の確率で起きると予想されている地震です。

実際に地震が起きた時に家計に与える損害額は一体どのくらいになるのでしょうか。2011年に起きた東日本大震災では、全壊被害に遭った住宅の新築費用は平均2,500万円と報告されています。公的支援や義援金などで受給した金額400万円を差し引いても2,100万円程度が不足となる計算です(内閣府「防災情報のページ」より)。臨時の生活費用などを含めると、不足額はもっと多くなると考えられます。

一般社団法人日本損害保険協会によると、2018年度の地震保険の加入率は32.2%であり、決して高い加入率とはいえないでしょう。地震保険は、災害が一定規模以上になった時に、保険会社が支払う保険金の一部を政府が負担する仕組みになっています。地震保険の保険料は、お住まいの都道府県と住宅の構造によって決まり、どの保険会社に加入しても保険料は同じです。

いつ起こるか分からない地震に備えて、少しでも準備しておけると安心です。

地震保険は、火災保険とセットでないと加入できない

実は、地震保険は単独で契約することができません。火災保険に加入した上で、契約しなければならず、火災保険だけでは補償されない地震・噴火・津波などに起因する損害が対象となります。つまり、火災保険だけの加入では地震が原因の火災や、地震や噴火による津波が原因の水災害の際に、保険金が支払われないのです。(ただし、保険会社や契約内容によっては、地震火災費用保険金が支払われる場合があります。)

地震保険で加入できる保険金額は、火災保険の保険金額の30~50%の範囲内で、上限額は建物が5,000万円、家財が1,000万円までとなります。実際の災害時に支払われるのは、損害の程度に応じて、地震保険の保険金額の5%、30%、60%、100%となっています。

地震保険の特徴

それでは、地震保険のメリット・デメリットについて見ていきましょう。

メリット

地震保険に加入するメリットは、地震時の補償が充実するだけではありません。「地震保険料控除」という所得控除が受けられるため、所得税や住民税が安くなります。控除額は、支払った地震保険料によって異なりますが、年間保険料が5万円以下の場合、所得税は支払保険料の全額、住民税は2分の1が控除されます。会社員の方は年末調整で、確定申告される方は確定申告の際に、控除の申請をしましょう。

デメリット

地震保険では、地震保険は、家屋や家財それぞれに保険金額を設定しますが、その保険金支払方法は「損害の程度」をもとに保険金額の5%~100%の保険金をお支払いするという特徴があり、火災保険のように実際の損害額を補てんするという性質とは異なります。その為、実際の災害の被害を100%補償できないこともあります。また、損害額が少ない場合には保険金が支払われない、ということもあります。火災保険に比べると、地震保険は契約金額が少なく、補償対象も狭くなってしまうということがデメリットです。

地震保険の保険料の割引

地震保険料は、前述した通り、保険の対象建物の住所地と建物の構造で保険料が決まりますが、割引制度もあります。割引制度は、「建築年割引」、「耐震等級割引」、「免震建築物割引」、「耐震診断割引」の4つで、いずれも重複して受けることはできません。そのため、割引率が最も高い制度を選ぶようにしましょう。

建築年割引は、昭和56年(1981年)6月1日以降に新築された建物に対して保険料の10%が割引になります。

耐震診断割引は、耐震改修の結果、耐震基準を満たす建物となった場合に10%の割引となります。

耐震等級割引は、耐震等級3級が50%、2級は30%、1級は10%、免震建築物割引は50%となっています(2014年7月1日以降の始期契約の場合)。割引率が最も高くなるのは、耐震等級3級か免震建築物割引が適用されるケースとなっています。契約の際には、公的機関が発行する資料等が必要になります。詳細は、保険会社あるいは保険代理店の担当者に確認しながら、適切な資料を準備しましょう。

また、地震保険の保険期間は1年ごとの更新となりますが、最長5年間とすることもできます。保険期間を長期にした方が、保険料が割引されるためお得です。

地震大国だからこその備えを

地震保険の加入は、火災保険の期間の途中からでも可能です。「そのうち……」と思っていると、機会を逃しかねません。地震は、突然やってくるものです。近年、地震保険による保険金が支払われた事例は、2018年6月の大阪府北部を震源地とする地震で、支払い総額は1,162億円にものぼります(2020年3月31日時点)。

「あの時……」と後悔する前に、お住まいの地域の地震リスクや保険料と相談しながら、地震保険の加入を検討してみてください。

この記事の執筆協力

執筆者名

冨士野喜子(AFP)

執筆者プロフィール

ファイナンシャルプランナー。お金に関する相談実績1000件以上。 大学卒業後、教育出版会社、外資系生命保険会社を経て独立。個別相談だけでなくセミナーや講演、ラジオ、コラムにて「楽しく、分かりやすく」情報発信中。 プライベートでは3児の母。 

募集文書管理番号
02AA-29A1-B20077-202101

関連コラム